2014年1月7日 火曜日 初めての入域(後編)

被ばく線量 0.02mSv
現場での作業時間 午前9時50分~午前10時10分
 
 午前10時に待ち合わせなので、その10分ほど前に免震棟の外に向う。作業用の靴が置いてある棚には、大きいサイズの靴しかなかった。ぶかぶかで歩きにくい。
 
 出口付近で待っていると、OUAの監督と東電の担当者がやって来た。軽自動車に4人で乗り、現場に向かった。現場の港湾の前に着くと、監督と担当者は、現場の最終確認をしていたようだ。監督は「更地になっているが、すでに他の工事のものが置かれている」と担当者に説明していた。
 
 現場には10分もいなかった。作業らしい作業をせずに、他の所を車の中から見て回りながら免震棟に戻った。見たのは1、2、5、6号機、メガフロート、港湾、震災で破壊されたタンクや建物。

 免震棟の中に入り、靴を脱ぎ、タイベックなどの装備を脱いで、身体サーベイを受ける。身体サーベイは、体が放射性物質で汚染していないことを確認するために行なわれる。除染作業で体験した作業員がぞんざいに行う身体サーベイとはだいぶ違っていた。係の人がいて、その人が測定器の針を確認しながら行なっていた。だが、どれぐらいの精度とバックグラウンドで行っていたのかはわからなかった。

 身体サーベイが問題なく終わると、休憩場所に戻って着替える。いちいち着替えるのは面倒くさかった。少しだけ休憩すると、開進総建の事務所に戻ることになった。バスの待合所に向かって歩いていると、下の下着が配備してある場所の前で、小淵さんに「下着を持って帰れ」と言われた。私が股引を履いていたからだろう。持って帰って問題ないのかと不安になったが、資料になりそうなので、レジ袋に複数入れて持って帰ることにした。バスで入退域管理棟に行った。

※帰りは、概ね来たときと逆のことをすればよいので、大きく違うことだけ書きます
 退域する時は、入退域管理棟でも身体汚染の確認が必要だ。持ち物がある場合には、その汚染確認を先に行なう必要がある。レジ袋を持っていたので、携行品モニター※に入れようとしたが、大きくてなかなか入らなかった。レジ袋から下着がはみ出していたが、係の人にはなにも言われなかった。入退域管理棟での身体汚染の確認は、機械を使って行なう。檻のようなゲートと同じで、両側に扉があり、出口側は閉まっていて、入口側だけが開いている。入ると入口側も閉まり、閉じ込められた状態になる。手を突っ込むところがあり、そこに手を突っ込むと汚染確認が始まった。汚染確認が終わると出口側だけが開き、出ると管理区域から退域したことになる。
 APDを入退域の管理する機械に読み込ませて、機械から出てきた紙を受け取る。その紙には入域時間、退域時間、浴びた線量などが書かれていた。

 1FからJヴィレッジに行くバスに乗った。帰りも大熊町や富岡町の様子を見ようと思ったが寝てしまった。Jヴィレッジで小淵建設の車に乗って開進総建の事務所に戻る。
 昼休憩のあと、書類の書き方を教わったり、資機材の移動を行なう。
 午後4時10分ごろ開進総建の事務所を後にした。

※携行品モニター:持ち物の汚染を確認するための装置

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