作業員時代まとめ その2 「稲田工業入社から登録まで」

 2013年12月、ハローワークのサイトで1F作業員の募集を見つける。応募するためにハローワーク勿来に行き、職員に連絡を取ってもらい、その会社の面接を受けることになった。

求人票の内容
・会社名 稲田工業(仮称)
・給料 日給10,000円 危険手当3,000円
・仕事内容 配管の組み立て作業 タンクパトロール

 後日、いわき市内のファミレスで面接を受ける。稲田工業社長の稲田さんが仕事の内容と給料などを説明して、私が職歴を話した。「この内容と条件で問題がなければ採用する」と言われたので、すぐ「問題ないです。お願いします」と答えた。

簡単な面接だけで、稲田工業の入社が決まった。だが、後日1次請け会社の面接も受けることになった。東電の記者会見に出ていたことがまたバレるのではないか、と不安になった。

 広野町のコンビニで待ち合わせをして、稲田さんの車についていくと『開進総建』と書かれている看板が見えた。それは、昨晩のニュース番組で取り上げられていた会社だった。面接は住所や職歴を答えたぐらいで、問題なく終わった。会見のことはバレていないようだ。

 1Fで働くには、作業員として登録しなければならない。それまで、手続きをしたり教育を受けながら、開進総建の事務所で作業することになった。

 朝はJヴィレッジでの朝礼がある。この朝礼には、『OUA』と言う元請け会社の工事をする開進総建の作業員が参加している。稲田さんもいる。それが終わると、事務所に行き、資機材や倉庫の整理整頓などを行なう。

 他にはパソコンで表や書類を作った。稲田工業の上には『小淵建設』と言う2次請け会社があり、そこの社長の小淵さんに頼まれたのだ。私に頼んだのは、パソコンを使って作られた私の履歴書を見たからだと思う。

 私は稲田さんと同じく、OUAの下請け作業員として働くことになる。それにはOUAの入所教育が必要だ。講師は、安全と放射線防護に関する基本的なことを中心に話した。「1F構内で写真を撮ってはいけない」とも言っていた。渡された資料にも、携帯電話のカメラに関して注意事項が書いてあった。1F構内の写真を撮られることにかなり警戒しているようだ。

 再び「a教育」と「b教育」を受ける。場所も前回と同じくJヴィレッジ。放射線やその人体への影響に関すること、作業や装備に関することを講師が話した。話す内容も資料も事故前のことばかり。事故が起きた原発でこれでいいのか疑問だ。最後に簡単なテストがあったが、前にも受けているので満点だった。

 年が明けて、最初の仕事の日に作業者としての登録をした。Jヴィレッジのセンター棟で書類を渡し、写真を撮る。センター棟から少し離れた建物で、ホールボディカウンターを受ける。ホールボディカウンターは内部被ばくを測るためのものだ。

福島第一原発 作業者証(構内)

 センターに戻ってきて、右手の静脈と車両を1F構内に入れるための暗証番号を登録する。少し待っていると「作業者証」を渡された。無事に登録出来るか不安だったので、ほっとした。

作業員時代まとめ その3 「初めての入域とC教育」へ

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