作業員時代まとめ その4 「汚染水タンクの雨どい取付け工事」

汚染水タンクは、名前の通り放射性物質で汚染した水を貯めるタンクだ。
そのタンク上部のふちに雨どいを取付け、その雨どいから堰の外まで配管を取付けるのが、この工事の概要だ。

目的

タンクは堰で囲まれていて、タンクから汚染水が漏れても、外に流れ出るのを防げるようになっている。その堰の中に溜まった水は、全て汚染水として扱われる。元が雨水であっても同じだ。堰内に入る雨水の量を減らすのが、この工事の目的だ。
タンク天板に落ちた雨水は、雨どいと配管を伝って、堰の外まで流れる。

タンク

対象のタンクは、円筒型でフランジタイプのものだ。
総数は330基ほどある。元請けのOUAが、その内何基を受注しているかはわからなかった。

被ばく

タンクによって線量が違うので、被ばく線量も変わってくる。汚染水が漏れたタンクエリアでの作業もあったが、その時は普段よりも被ばくした。
汚染水に触れる可能性がある現場なので、リストバッジと呼ばれる線量計を利き手(右手)の手首に付けて作業した。

期間

2014年1~4月に割振られることが多かった。

作業

この工事の主な作業は、雨どいと配管を取付けることなので、それについて記す。

雨どいの取付け
雨どいは金属製のものやプラスチック製のものがある。
タンク上部の出っ張った所に、雨どいをボルトで固定するだけだ。

汚染水タンク 雨どい

配管の取付け
配管は、作業員の間で「Y管」「立管」「横管」「排水管」と分けて呼ばれていた。
塩ビ管が使われている。

立管
金属のバンドを直梯子の背かごなどに取付ける。
継手と接着剤を使って、塩ビ管同士をくっ付ける。
くっ付けた塩ビ管をバンドを使って取付ける。

Y管
「u」の字をしているが、「Y管」と呼ばれている。
取付ける場所は、雨どいと垂直に取付けてある配管の間だ。
雨どいの穴の空いている所にY管の上部を差し込み、立管の上部にY管の下部を接着剤でくっ付ければ取付け完了だ。

横管
ブラケットと呼ばれる足場材と金具で作ったものをクランプでタンクに取付ける。
タンクから離れている所は、足場材で支柱を作る。
ブラケットや支柱に金属のバンドを取付ける。
塩ビ管をバンドを使って取付ける。
ある程度塩ビ管を取付けたら、継手と接着剤を使い塩ビ管同士をくっ付ける。

排水管
足場材を使って、支柱を作る。
支柱に金属のバンドを取付ける。
塩ビ管をバンドを使って取付ける。

まとめ

雨どい、Y管、立管の取付けは、あまり建設業の経験がない私でもそれほど難しくなかったが、横管と排水管は難しかった。

横管のエルボ(角度の付いた継手)は、45度のものしかなかったので、配管の長さやバンドの位置を調整し、タンクに沿わせるように取付なければならない。その調整に苦労した。頭で思い描いて作業しなければならなかったし、直感的な要素も必要だったのだが、それがうまく出来なかった。

横管と排水管の支柱作りも、足場材の扱いに慣れていないので難しかった。排水管を取付けている時に、誤って支柱をずらしてしまったこともあった。

高所での作業も多かったが、それは問題なかった。ただ、冬の間はタンクの上に溜まった水が凍ったり、雪が積もったりするので危険を感じた。

参照

貯水タンクヤード雨水抑制対策 P61~66


タンクの数
2014/5/27の時点 円筒型でフランジタイプのタンク 332基 P75
2014/7/31の時点各エリア別タンク一覧

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