作業員時代まとめ その6 「Jヴィレッジ廃液輸送」

Jヴィレッジにある汚染水を1F構内に運ぶ工事(委託)
汚染水が入っているタンクは30基ほどあり、量が少ないタンクもあった。
汚染水は、最も汚染しているもので132Bq/L。総量はおよそ490㎥。

目的

発災当初1F構内に入った車両は、Jヴィレッジで除染されていた。その時に使われた水は、汚染した車両を洗車するので汚染してしまう。その汚染水はタンクに入って、Jヴィレッジに置かれている。その汚染水を1Fに運ぶのが、この工事(委託)の目的だ。

被ばく

Jヴィレッジでの作業では、汚染水は線量が低く、現場の線量も低いので、0μSvのことがほとんどだった。
1F構内での作業は現場の線量が低かったので、全て0mSvだった。

期間

2014年12月~2015年4月に割振られることが多かった。

作業

量が少ないタンクから、別のタンクに汚染水を移し、空にする。
空になったタンクや資機材などを1F構内に運ぶ。
モックアップ(演習)を行なう。
タンクの水をパワートートと呼ばれる容器に入れ、1Fに運び、それをタンクに移す(私はこの作業が始まる前に、開進総建から抜けた)。

タンクからタンクへの汚染水移送

汚染水は、水中ポンプかスポンジを使って移す。

水中ポンプ
水中ポンプを使うと早く移せるが、全てを取り切れない。
ホースの中にだいぶ汚染水が残ってしまうので、しっかり養生する必要があった。

スポンジ
タンク内の量が少ない場合や水中ポンプで取り切れない場合は、スポンジを使って汚染水を吸い取り、ペール缶の中で絞って集める。確実に全てを集めることが出来るが、どうしても時間が掛かってしまう作業だ。

1Fでの作業

現場調査を行なう。
資機材や道工具を仮置きする。
他の業者が運んで来た空のタンクをクレーンで吊って、現場に降し、据え付ける。

モックアップ

この工事(委託)では、何度もモックアップを行なった。

水の移送
角材とシートを使って堰を作る。
その中に空のパワートートを置く。
そのパワートートの中にポリ袋を二重にして入れる。
ポンプとホースをセットする。タンクに見立てたパワートートの中の水道水を堰内のパワートートに移す。
ポリ袋の口を結束バンドで縛る。

トラックへのパワートートの積み降ろし
空のパワートートを用意する。
測定器を使って、空のパワートートの線量を測り、汚染の確認をする。
フォークリフトを使い、パワートートをトラックに積み込む。
トラックの線量を測る。
フォークリフトを使って、パワートートをトラックから降ろす。

その他
パワートート2台をトラックに積んで、Jヴィレッジの周りを走らせる。

汚染水を移す際の掛け声や合図の出し方。

汚染水をJヴィレッジから1Fに運んでいる時に事故が発生したことを想定した通報訓練。

まとめ

Jヴィレッジでの作業はつまらなかった。やはり1Fでの作業でないと面白みに欠けるし、モックアップが多いのも退屈だった。

現場に東電社員がいることがほとんどだったので、かなりやりにくい。モックアップの掛け声を直前で変えられた時は困った。それが手書きなのもかなり読みにくい。東電社員が過剰に関わると、現場を混乱させるだけだと実感した。

私が作業員として働いた最後の仕事は、Jヴィレッジ廃液輸送だった。それも通報訓練の「けが人役」だ。この工事(委託)とは相性が悪い。

だが、モックアップの放射線測定には興味が湧いた。放射線管理員をやってみてもいいかもしれない、と思うようになった。

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