2015年8月1日 土曜日 先入観

 今日も既設アルプスの点検手入れ工事に割振られた。

 供給タンクの中をカメラで撮影するので、その放射線管理を行なう。

※供給タンク
汚染水は主に吸着塔で処理されるが、その前にマグネシウムやカルシウムなどを取り除く。その取り除く設備の一部が供給タンクだ。

 作業員が供給タンクの天板に設置されている機器と蓋を外す。蓋を外した辺りから線量を測ると、β+γ線で600mSv/hもあった。本来ならRSTスーツを着る必要がある値だが、その指示をしなかった。打合せで森岡さんは「線量が低いので、スーツを着る必要はない」と言っていたので、その先入観があったためだ。

※RSTスーツ
β線の被ばくを低減させるための全身を覆うスーツ。ウエットスーツのような見た目をしている。
参考 タンク建設進捗状況 2020年10月29日 13P β線遮蔽スーツ

 作業していると、タンク上部にいた2人のオフラインAPDが鳴動した。オフラインAPDは、通常のAPDとは別に着けるAPDだ。オフラインAPDは通常のAPDより低い値に設定してある。そうすることで、通常のAPDよりも先に鳴動するので、通常のAPDがパンク(鳴動)しないで済む。

 1人は撮影をしていた品質管理員(以下、品管)で、もう1人は照明を持っていた作業員。どちらもすぐに現場を上がってもらった。作業は仕切り直すことになったので、私も上がった。森岡さんに相談すると「600(mSv/h)あったんなら、スーツ着せないと」と指摘された。確かにその通りだ。今後は先入観に注意しないといけない。

 2回目の作業では、品管にRSTスーツを着せ、照明を持つ作業員は出来るだけ開放部から離れるように指示した。2人とも1回目とは別の人だ。2回目は問題なく終わった。

 そのあと、設計担当者がデジカメとファイバースコープで撮影。供給タンクが終わると、共沈タンクも撮影した。どちらも問題なく終わった。

 6時10分ごろ終業。

被ばく線量 γ線 0.23mSv β線 1.3mSv
現場での作業時間 1回目 22:50~無確認 2回目 無確認~4:20

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